祖父母と孫の異世代交流マガジン 『孫の力』休刊
2016年7月25日

「孫は あなたと 日本の 未来です」

2011年7月25日に創刊した隔月誌「孫の力」(発行元:木楽舎)で、のら猫クロッチは「幸せ運ぶメッセンジャー」役として、創刊号〜14号まで紙面上のみならず、さまざまなイベントで活躍できる機会をいただきました。

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隔月誌「孫の力」の休刊のご案内とバックナンバーをご案内いたします。
http://www.magonochikara.com


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「クロッチ物語」「クロッチ川柳」を連載。「クロッチと同行二人」企画では「あしたのジョー」の漫画家ちばてつや先生を取材しました。そのとき、ちば先生から「クロッチはのら猫なんだから、ちゃんと『のら猫』をアピールしないと、生き方が伝わらないじゃないか」と指摘され、その日以来「のら猫クロッチ」を名乗るようになりました。

人と人、人と社会を縁結ぶ「〆キャラ」という言葉もこの雑誌での活動をとおして生まれました。「孫の力」にクロッチは育てられたのです。

「孫の力」。本当にありがとう。

世界初の「孫」の雑誌を5年間に30冊発行しつづけた出版社「木楽舎」のクリエイティビティとチャレンジグ精神はさらに凄いことをするに違いありません。みなさま、どうぞご期待ください。

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隔月誌「孫の力」の休刊のご案内と
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のら猫クロッチと目があって3 ★ 大西和子さん
2016年7月6日

【のら猫クロッチと目があって ★ 同行二人】

第三回  大西和子さん 

株式会社PJC 代表取締役/デザイナー


「クロッチは野良だから櫛が通るような毛並みではだめ」だから、さまざまな方向に刺繍糸があばれる「乱れ刺し」
エンプロイダリーレースの老舗メゾン、PJC KAZUKO ONISHIのオーナーデザイナー大西和子(おおにしかずこ)さんと出会ったのは今から7年前。ねぐらからはほんのひとっ走り、オイラが迷い込んだ「都会の草っ原」はPJCのアトリエだった。それからというもの、大西さんは野良猫クロッチをPJCのオリジナルエンブレースの草むらで遊ばせてくれている。

※エンブロイダリーレース(以下、エンブレースと省略)とは、エンブロイダリーレースの機械で施した刺繍レースのこと。

「野良猫だからクロッチに興味を持ったの」。36年にわたりオリジナルのエンブレースを創ってきた大西さん、実はその生きざまこそ「野良」そのものだ。


 自分のレースは「ファッションではない」とずっと思っていた。青春時代、「ドロップアウト」「アングラ」「前衛」の真っただ中を駆けぬけてきた大西さん、表現の道具がたまたまレースだっただけで、実は「紙」でも「額」でもよかったという。
 レースでいったい何を表現できるのか? 
 遠い原風景を、手にはいらないものを追いかけて、永遠のあこがれを描いてきた大西さん。こうして描きだされた世界が、PJCのオリジナルエンブレースの図柄となっていったのだ。
 学生のころから今日までずっと絵を描き続けている。どこか満たされない気持ちの穴埋めだという。描くのはいつも自分自身、絵は日記でもあるという。その絵はこんなひと言とともにPJCの新作案内状としてお客様のもとに届けられてきた。
「一億光年の色」「星屑ばかり」
「夢ハ見マセン、緑の子」
「ホントハツタエタイ」
「と、もう一度。」

 PJCのエンブレースは一度見たら忘れられなくなる。ひとめ惚れをし、魅力の虜になった人たちが、全国各地から飛行機や新幹線を乗りついでやってくる。 繊細な絵柄、色の魔術、微妙な濃淡、独特の美しさだ。
 大西さんはまず素材にこだわる、糸からこだわる。京都の友禅の職人さんが6回も天日干しを繰り返した墨染めの糸、これがオイラの刺繍に使われている。「クロッチは野良だから櫛が通るような毛並みではだめ」。と大西さんは、さまざまな方向に刺繍糸があばれる「乱れ刺し」でオイラの毛並みを表現してくれた。と、こんな具合に、すべての作品に大西さんの特別な思いと職人の高度な技が込められている。膨大な時間と手間をかけて創りあげられてきたエンブレース。

 大西さんの運命を変えたのは、バッタ屋に山積みされた糊抜きされていない生成りのデッドストックレースとの出会いだ。当時は生成りのレースの商品などどこにもなかった。糊抜き工場を知らなかったので、服にするため。それから毎日のように、自宅の風呂場で、足で踏んで糊抜きを繰り返した。糊で足は真っ黒になった。糊ぬきをした生成りレースを干す。洗われてこざっぱりとしたエンブレースの素肌の感触は、人の内にある自然身体感覚を呼び出す。そんな懐かしさにも似たあたたかな感覚だ。こうして大西さんは8年間、生成りのレースの服だけを作りつづけた。やがて、そのデットストックレースがなくなった時、「布の宝石箱」と評される大西さんのオルジナルレース作りははじまった。

それからというもの、いつも「八方ふさがり」、いつも「絶体絶命」、いつも「挑戦」だった。
だから、いつも「なんで?」と問い続けてきた。でもどんな時にもあきらめずに工夫した。
そして、いつも「偶然」に導かれてきた。そして今日まで、華やかだけれど自然の素朴さを感じさせ、どこかあたたかみのある「特別な日常着」を作り続けている。
「PJCのエンブロイダリーレースを手にしてくれた人が幸せになってほしい」。
「それを着ている時に幸せになってほしい」。
今日も大西さんは、お客様の笑顔を思い浮かべ、仕事をしている。

オイラには「世界のクロッチになってね。のら猫の応援団長になって!」と大きなエールをもらった。
最後に「自分を動物に例えると?」と尋ねてみた。
しばらく悩んだ後に「犬かなあ……」。

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■大西和子(おおにしかずこ)
オリジナルエンブロイダリーレースの老舗メゾン、PJC KAZUKO ONISHIのオーナーデザイナー。
高度な刺繍技術と独自の「手干し仕上げ」を用いた比類無き作品の数々を世に送り続けている。





PJC x のら猫クロッチ 日本橋三越本店
 
2016年6月1日〜7日
















ラッキーワイドの造形作家たち4 ★ 清水守正さん
2016年7月4日

【クロッチ作品を創るラッキーワイドの造形作家たち。4】


宿命のライバル、カラスのゴンゾの対決シーン


「獣医か競走馬の厩務員になっていましたね、この仕事をしていなければ」

そう語るのは、入社17 年目のベテラン、清水守正さん。



幼いころ、家ではオウム、犬、猫、馬などを飼っていて、保育園にもヤギやウサギがいた。そんな動物パラダイスで成長し、現在も14羽のインコ、5羽のウサギやミドリガメと共に暮らしている。こんな清水さんが手がけているのは、オイラ、クロッチと宿命のライバル、カラスのゴンゾの対決シーンだ。板塀の屋根の上でのにらみあい。その臨場感に圧倒される。いつも身近に鳥を観察しているからこんな作品が生み出せるのかな。


 「クロッチの顔のおむすび型が造形的におもしろいね!」「べらんめえの言葉使いや、一見、やさぐれた雰囲気も気にいっている」という清水さん。

「一歩引いて、立ち去る」。そんなクロッチの「フーテンの寅さん」的な世界観を表現しようと、なんともなつかしい昭和の街角を出現させた。錆びついたトタン屋根と古びた板塀。このようにふだん見慣れているなんの変哲もないものを、かっこ良く見せようするとどこか作り物感がでてしまうという。そこを「いかに自然に見せるか」が技の見せどころ。木の板に見えるが、実は塀の表面は薄い発砲スチロール板。プラスチック製の透明トタンは金属風に塗装し、さらにサビ加工を施した。刷毛で何度も塗り重ねて埃まみれの風合いを表現する。驚いたことに、清水さんは参考写真など何も見ないで、頭の中のイメージだけで全てを作っているんだ。

 


 でも、オイラの造形はそう簡単ではないという。アニメ風な完成度をつきつめると、原画の水彩画の良さをそこねてしまう。立体制作では感覚的なものがかなり要求されるのだ。


 オイラとゴンゾの制作では、最初に手とヘラを使い、粘土状のパテで小さい模型を作る。その模型の写真を拡大してスチロールのブロックに貼り付け、正面と横からアウトラインをカットする。小さい模型を見ながら感覚だけをたよりに包丁で削っていくこの作業では、経験と慣れがものをいう。ここが最も神経を集中する工程だ。ある程度の形ができるまでは緊張の連続とのこと。でも、それをすぎると「この仕事をしていてよかったなあ」と感じ、その後の仕事がとても楽しくなるという。これから取りかかる着彩では、塗装スプレーと刷毛などでニュアンスをつけながら、クロッチの黒い毛とゴンゾの黒い羽根の色の差別化をしていく。



「とにかく手を動かすことが好き!作りたくて仕方がない」という清水さんは、時々、好きな仕事で遊びながらお金をいただいていると感じる。とはいえ、そこは仕事、納期も含めシビアな制限がある。お客さんに喜んでもらえることを大切にしているが、自分の満足度とお客さんの要求するものが違った時はつらいらしい。


 後輩たちや新人たちには「美術学校で学んだことをそのまま仕事に活かせるのは幸せなこと。だから自分は恵まれていると思ってほしい。しんどいこともあるだろうけれど、できるだけ仕事を続けてほしいですね」。と温かいエールを送る。

さらに、長年、造形に携わってきたひとりの造形職人としてこんなアドバイスを。「デジタルは道具としてはすばらしいけれど、それがすべてではないです。ゼロから手で作ることを忘れない方がいいのかな」。そこでニッコリした清水さん、「停電しても作れるからね」。う~ん、なるほど。


「立体オタク」で粘土や彫塑が得意。「足していく作業」が好きだという清水さんが親しみを感じるのは、粘土、木、石、などの自然素材だ。自然の色に近づくものをどうやって作りだそうか?と日々、思いをめぐらし工夫を重ねている。

「でもね、自然のものにはかなわないです。猫の目やインコの羽根の色の美しさにはね……」。こんな風に言ってもらって、オイラ、ちょいと照れくさかった。

 

 最後に「自分を動物にたとえると?」と尋ねると「セキセイインコかな」と即答した清水さん!理由は「よく動き、よくしゃべる」からだそう。職場に欠かせないムードメーカーの一面をみたよ。




【清水さんの恐竜! ワンフェスに!】

11月のエキシビションでは、クロッチとゴンゾの対決場面の作品の他に、得意の恐竜の模型を出展する。怪獣オタクで特撮オタクだという清水さんは、マニアの祭典、ワンダーフェスティバルに毎年出展している。次回は7月24日(幕張メッセ国際展示場)。




のら猫クロッチ、フィジーに行く!
2016年7月3日

いってきました、フィジー共和国!

到着したのは4月20日、30度を越えた蒸暑い日だった。

 オイスカの増留さんに連れられてやってきた南太平洋の島で、オイラが最初に目にしたのは、今年2月に襲来した巨大サイクロンの大きな爪痕だった。南半球の観測史上最大級といわれるサイクロン、ウィンストンの被害はあまりに大きく、電柱は倒れたまま、全半壊の家屋のかたわらで、海外からの国際NGO、NPOのメンバーによる復興作業が行なわれていた。日本での研修を終えてフィジーへ帰国したばかりのオイスカのOB、ジョー氏の村では、たった一軒を残して全ての家屋が全半壊し、ジョー氏の家はほとんどなくなってしまったんだ。

以前CFPで植え、被害を免れた木とクロッチ


 フィジーで1992年から始まった「子供の森」計画(CFP:Children’s Forest Program)活動。フィジー国内で毎年2,000人以上子どもたちが参加し、これまで59もの学校で活動を行っているそうだ。オイラが行った学校では、小学校の高学年が参加して植林をした。授業の一環として、今回は自生樹木とグアバ、ジャックフルーツなどを植えたんだよ。その他にも子どもたちは自然のサイクルを理解するために、野菜の栽培方法も学ぶんだ。


今から植林するよ
植林終了後パシャリ


 この他にもオイスカでは、村の農林業開発、そして、マングローブ植林に力をいれている。フィジーではマングローブは自生しているため、わざわざ植林して増やしていくことの大切さが、住民にはわかりづらいという。実は、マングローブは海面上昇と海岸の浸食をくいとめていたり、山から流されてくる土砂を塞き止めているんだ。その大切さを、マングローブの苗を植えることを通して伝えようとしている。苗を植えるのは、子どもたちやオイスカの研修生、村人たちだ。この活動によって、今では住民たちのマングローブへ対する保全意識も高くなってきているそうだ。

順調に育つマングローブサンゴと村の子供



 ところで、フィジーでは近年、サンゴの白化が深刻な問題となっている。地球温暖化や開発による土砂の海水への流入などの原因により、光合成ができなくなったサンゴは死滅してしまう。そして、このサンゴの死滅が生態系に大きな影響を与える。まず魚がいなくなる。すると、他の生き物や動物もいなくなる。その結果、フィジーの人たちは漁ができなくなってしまう、というわけ。


そこでオイスカでは、サンゴ礁保全活動とサンゴを育てるプロジェクトを行なっている。

サンゴの成長しやすい環境をつくり、サンゴの定植活動をしているんだよ。

また、ホテル主催のエコツーリズムを開催し、サンゴ保全に対する理解を高めようという計画がある。参加者にはサンゴの定植体験をしてもらい、フィジーの現状、サンゴや海が脅かされている環境を知ってもらうそうだ。


サンゴの苗床、魚がいっぱい!




のら猫、のら犬が自由気ままに人と共存しているフィジー。

オイラにはとても居心地がいいところだった。

今、サイクロンの被害を乗り越えようと頑張っているフィジーの人たち。

そして子どもたちが向けてくれた満面の笑顔、オイラ、忘れないよ! 

フィジーの海のきれいなサンゴ礁を思いながら、オイラ、絵を描いた。

これは今年8月にオイスカのポストカードになるんだ。楽しみにしていてね!



またフィジーの子どもたちが考えたサンゴのキャラクターのお話が紙芝居になってるんだよ!

フィジーの環境問題をみんなも一緒に考えよう!

↓↓↓↓↓

◉紙芝居ページリンク:http://animalconference.com/oisca/world/fiji/




【オイスカ「子供の森」計画の活動】

「子供の森」計画(CFP:Children’s Forest Program)の目的は、子どもたち自身が、学校の敷地や隣接地で苗木を植えて育てていく実践活動を通じて「自然を愛する心」「緑を大切にする気持ち」を養いながら、地球の緑化を進めていこうというプログラム。1991年にはじまったこの活動は、2015年3月末現在、35の国・地域の4,692の学校が参加するまでにその輪が広がっています。


【ちょいとお知らせ】


オイラ、オイスカ「子供の森」計画の応援団になったんだ。

ぬいぐるみとポストカードの売り上げの一部が「子供の森」計画の支援につながるよ。8月には、フィジー、ミャンマー、フィリピン、植林をするクロッチを描いたクロッチポストカードができあがる。

例えばフィジーのポストカードはこんな感じだよ。


ポストカード
しりあがり寿の現代美術 回・転・展 in 練馬区立美術館
2016年7月3日

7月3日(日)から9月4日(日)まで練馬区立美術館で開催されます。しりあがり寿さんの着眼点ってすごくユニーク。ヤカンが回転すれば現代美術。会場ではいろいろなものが回っています。「回転宣言」の一部をご紹介します。

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「回転宣言」

ヤカンが静かに回りだす
ゆっくりゆっくりくるりくるり
その姿はこのうえなく美しい
しかし回り出した瞬間、それはもう元のヤカンではない
水も汲めない、湯も沸かせない、ただ静かに存在感を放つだけの金属だ、

・・・・(中略)・・・

いまや直線的な歴史の放棄を迫らせた人類に 

回転にこそ、その未来があるのだと覚醒を促す・・・

回れ回れ、回転に幸あれ!

2016年7月  しりあがり寿


ヤカンが回ってる。縄文人の親子も回ってる。西郷隆盛さん、勝海舟さんも回ってる。7月3日(日)から9月4日(日)まで練馬区立美術館で開催されます。




詳細はこちら
http://www.neribun.or.jp/web/01_event/d_museum.cgi?id=10302

縁起。(えんおこし)★日本人のいい顔。東山のおねえさん
2016年7月3日

舞妓さんの舞踊、はじめてみました。

のら猫クロッチと目があって、ウインク決め。