のら猫クロッチは悩みがありました。
「人間たちは、オイラたちの仲間たちに犬猫殺処分ゼロとか怖い言葉を使う。本来仲間だったはずなのに。やっぱり、人間と動物は共存できないのかなぁ」
そんな傷心で東北を旅するクロッチが一関でアイヌの長老と出会います。
エカシはこう言いました。
「オレたち(アイヌ)は動物だから、
動物を食べるのはしょうがない。
でも命を管理しちゃいけないなぁ。
1/3は自分のために、
1/3は動物(自然)のために
1/3は未来のために
そういう気持ちで生活をしてきたから、
オレ(アイヌ)たちは自然(カムイ)と共存できたんだよ。」
エカシの話に勇気づけられたクロッチは、
エカシの考えを広めるメッセンジャー役となりました。
浦川エカシ
「おい、クロッチ。」
「愛するもの、大切なものを守るためには、オマエ自身がちゃんと力をつけるんだぞ。」
「強くなければ守ってやれないんだぞ。わかってるな」
これは、あかんのホテルのロビーにある、昨年冬に亡くなったアイヌ彫刻の巨人、藤戸竹喜さんの作品です。中段に、熊神と鮭神の会話が描かれています。
熊神「オレはお前を半分だけいただくことにしよう」
鮭神「私はふる里の川に子孫をたくさん残してきたから思い残すことはありません。さあ、私をお上りください」
熊神「それでは遠慮なく半分喰うぞ!! 残りの半分は森に分け与えて大地の栄養としよう」
潔い命の活かし方、活かされ方に驚きました。
動物たちの世界は「1/2」なのだそうです。
動物脳に加え「人間脳」をいただいた人間は、さらに条件を厳しく「1/3」というのは理にかなっているなぁとこの作品をみて思いました。