ラッキーワイドの造形作家たち10 ★ 横内利彰さん
2016年10月13日

【クロッチ作品を創るラッキーワイドの造形作家たち。10】

横内利彰(よこうちとしあき)さん

「神様だな……」先輩方の仕事ぶりを見てそう思う。

「立体を仕事にしたい」と、グラフィックデザインの世界から転向してきた入社2年目の横内利彰さん。パソコンの前に座り、パンフレットなどの制作をしていた前職と、「造形」の仕事とのあまりの違いに当惑した入社当時。まず、「体を動かして作ること」に苦戦したという。さらに、ここでは何人ものスタッフがチームを組み、ひとつの作品を作ることが多いため、その「チームプレイ」に慣れるのが大変だったそうだ。

 

 

幼いころはアニメの塗り絵に夢中になり、そのうち独自のキャラクターを描くようになる。長じては、自分の作品を立体におこしてみたくなり、初めて作ったフィギュアを先輩の誕生日に贈ったら、それが好評で「店に置かないか」と声がかかるようになった。そんなキャラクター一筋の人生を歩んできた横内さんは、デザイナーを辞めてしばらく作家活動に専念していた。
造形作家のタクジ(T9G)氏が創ったランジアスという怪獣の人形に大きな影響を受けた横内さん。ランジアスは見る方向によって顔が違う。それは平面では表現できない。「やはり立体はすごい!」と感動したのだ。自分も「角度によって見え方が違う立体を作りたい」と思い、実在しないオリジナルの生き物を創りあげる。生み出したキャラクターはすでに何十人にものぼる。ラッキーワイドでの仕事と平行して今後も作家活動を続けていきたいそうだ。

今回、会社で手がけている立体物と、映像やプロジェクションマッピングの組み合わせができたらおもしろいと思いついた。映像の仕事をしている友人に話をもちかけ、木下さん制作のクロッチの大きな絵と映像のコラボレーションが実現した。見た目の「怖さ」と中身のやさしさのギャップがオイラの魅力だといってくれる横内さん、いつかオイラのフィギュアも作ってくれるかな。

仕事で不安を感じた時には、その気持ちを先輩方に正直に伝えるという横内さん。「いつも震えていますけどマイペースです」と気負いはない。だから、自分を動物に例えるなら、チワワかナマケモノだと語る。同期入社7名のうち、横内さん以外はすべて女性。「女性のほうが強いなと思います」。と涼しげに語る姿に、「柔能く剛を制す」、この言葉がよぎったよ。

 


 

【参考:横内利彰さんの作品】

 


 

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