ラッキーワイドの造形作家たち6 ★ 岩永愛さん
2016年9月8日

【クロッチ作品を創るラッキーワイドの造形作家たち。6】

岩永愛(いわなが あい)さん

木彫りの美しさ、クロッチの掛け時計

「削るたびにふわっと木が匂うんです」。ノミで削ることが大好きだという岩永愛さん。立体デザインを専攻した学生時代に、ある先生と出会い木彫をはじめた。今回、「クロッチの掛け時計」を制作中の岩永さんは、今後もずっと木彫を続けていくつもりだ。

 


写真提供:山田親広さん

 

のら猫の潔さと兄貴肌がオイラの魅力だという。作品の見どころは、「あっ、クロッチだ!」という強いインパクトと「クロッチのかわいらしさ」。人の背丈より高く設置される掛け時計に「いかに来場者の目を惹き付けるか」を考え、なんとも愉快なデザインを生み出した。作品の見どころは、ノミと彫刻刀で仕上げ彫りをする時計の装飾のレリーフだという。木目の美しさを活かした塗装にもこだわるつもりだ。
苦労したところは、今回はじめて挑戦した「キャラクター単体での削り出し」と「オイラのおにぎり型の顔」。目下、木とFRPの異素材の組み合わせでどう仕上げようかと思案中だ。

ラッキーワイドに入社してほぼ一年の岩永さん。以前は建築模型を作る仕事に携わっていた。ここでは、仕事によって毎回やることがかなり異なるという。とりわけ、作家の作品では完成度の高さを求められるために神経を使う。とはいいながら、細かい仕事が得意な岩永さんは仕事を楽しんでいる。つらいことがない。どんな仕事でもその中に楽しみを見いだしていけるタイプなのだ。

岩永さんがラッキーワイドで働いてみて、「凄い!」と思ったことがある。それは、すばらしい技術をもっているにもかかわらずおごった先輩がいないことだ。尊敬できる人が多いという。

 自分を動物に例えると? との問いには、
「わたしは狼です。本能でそう感じるんです」との力強い答えが返ってきた。
幼いころに見たテレビの番組で、狼の群れの映像を見て衝撃を受けた。「ビビッときた!」のだという。その後は、膨大な数の狼の絵を描き、動物園に何度も狼に会いに通い、ひたすら「狼一筋」の人生を歩みつづけている。
「狼愛」にかけては地球上の30人の中にはいると自負している。

「狼はもちろん、動物、木、そして自然」。それらが自分の創作活動の基盤だと語る。かつて、獣医になるか美術系の仕事をめざすか迷ったという岩永さん。狼の鋭い嗅覚と本能が、自分の才能を活かせる最高の環境と仲間を見いだしたのかも。

 

 


 


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