クロッチ作品を創る映像作家 ★ 木村郁也さん
2016年10月13日

【クロッチ作品を創る映像作家】

木村郁也(きむらふみや)さん

会場を夜回りするクロッチ。映像ディレクターが仕掛ける遊び。

このたびの展覧会、20時のギャラリー閉場後にもちょいと楽しめるしかけがある。「夜、動き出すクロッチ」を手がけるのは、フリーで活躍する、映像ディレクターでCGクリエイターの木村郁也さん。先に紹介した横内さんの友人だ。

 

 

 

「遊び心が見どころ」と語る木村さんの作品。夜、通りを歩いている人たちに、「あれっ?」と気づいて楽しんでもらいたいという。ギャラリー内に展示された、ある作品をスクリーンにみたて、映像を当てていくプロジェクションマッピング。見た目の怖さとは対照的な、オイラの性格や抱えている背景が魅力だと語ってくれた。

イラストレーターから映像の仕事に転向した木村さんは、実は人気VJ(visual jockey)としての顔も持っている。VJことヴィジュアルジョッキーとは、DJの映像ヴァージョンのこと。VJとDJとの相乗効果で会場は最高に盛り上がる。渋谷のクラブや、幕張メッセでのミュージックフェスティバル、サマーソニックなどの大きなステージで何万人もの聴衆を前にVJとして活躍する木村さん。「ライフワークとして取り組んできたVJの仕事が、最近、軌道にのってきた」。とうれしそう。大好きなVJの仕事と、映像やCGの仕事をバランスをとりながら取り組むうちに双方のレベルがあがってきたそう。

木村さんは自分の映像作品を残すことにはあまり興味がない。
「一回ぽっきりのショーの仕事が好き」と力強く語る。そのたった一度限りのステージに全身全霊をこめるのだ。何ヶ月も前から映像の準備をするのだが、本番1時間前の打ち合わせで、「こんなふうにやってほしい」なんて突然言われることも。でもそれさえも「ドキドキするぶん楽しいですね」だって。さすが!

「全体のショーとしてバッチリいいものを出せた時はビールがうまいですね」と微笑んだ。
この夏に父親になった木村さんは、もともと子どもが大好き。高校時代には、美術の道に進むか、保父さんになるか真剣に迷ったそう。
さて、自分を動物に例えると? 「自分ではわからない」。奥様いわく「大型犬」「吠えずにずっと寝ている年をとった犬」だそう。

今後はVJとして、「より大きなステージで、海外でやってみたい!」と語る木村さん。まもなく仕事で上海に飛ぶ。

 

 

 

 

 

 


 


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