ラッキーワイドの造形作家たち7 ★ 村井理恵子さん
2016年9月8日

【クロッチ作品を創るラッキーワイドの造形作家たち。7】

村井理恵子(むらい りえこ)さん

絵の中から今まさに飛び出そうとしているクロッチ

「飛び出す勢い! を感じて欲しい」と語る村井理恵子さん。今年入社2年目、期待の新人だ。美術系の高校で学び、大学では彫刻を専攻した。今回、「飛び出すクロッチ」の制作では、先輩にアドバイスをもらいながら、得意の粘土を使った原形に、自らが持つ塑像の技をすべて注ぎこんだ。

 

 

作品では「プロポーションでかわいらしさを表現する」ことに注力したという。オイラのボディーのデフォルメの加減が難しく、とりわけ頭部には細心の注意をはらったそうだ。うん、オイラの頭と顔の形はちょいと変わっているからね。
展覧会の来場者には「絵から飛び出している」という、平面と立体の融合の絶妙な加減を見て欲しいそうだ。この作品は、通常の立体作品とは異なり、オイラの背中、つまり後ろ側を作らない。だからこそ、表には現れない「からだ」の後ろ部分の形を鮮明にイメージしながら制作しなければならず、それが難しかったという。他には「スカーフのしわや足先も見て欲しい」そうだ。

「クロッチは後姿が魅力的ですね」と村井さん。オイラ、なんか照れちまう。「親しみやすい」ともいってくれた。ありがとう!
さて、自分を動物に例えると?
「わかりません。でも鳥が好き、特にインコが。フォルムが好きです」とあつく語る村井さんは、対象のプロポーションやフォルムにこだわりがあるらしい。「造形屋さんでなければ製造業にいっていたと思う」。とにかく「立体」を仕事にしたかった。彫刻を学んできたとはいえ、ここでの仕事は村井さんには、はじめてのことばかり。「上には上があります」。1年を経ての率直な感想だ。

「先輩からは、技術面ではもちろんのこと、仕事に対する姿勢や熱意から学ばせてもらっています」と、ゆっくり言葉を選びながら語る。
「今は、自分に渡してもらえる仕事をひとつひとつ完成度をあげられるように努力をしています」。片道2時間もかけて通勤している村井さん、がんばってね!

【別欄での解説】
「飛び出すクロッチ」を発案したのは、肉球オブジェを作った佐藤愛子さん。そして、村井さんは、岩永愛さんが担当するクロッチ時計の一部も手がけている。時計のレリーフ部分のドクダミの花と葉の粘土原形をへらで丁寧に成形した。オイラの立体作品は、作家さんたちそれぞれの得意分野をいかした共作でもあるんだね。

 

 


 


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