のら猫クロッチと目があって8 ★ マリエレーヌさん
2017年7月13日

第8回 マリエレーヌ・ポワンソさん
画家、写真家、そして料理研究家

「人や動物などの動くものこそ、写真より絵のほうが対象に忠実なのだ」とマリエレーヌさんは考えている

「『絵』も『日本』もわたしの心と魂の一部分。生きていくうえでは必要不可欠の存在なのです」。
こう語るマリエレーヌさんは、料理研究家としても活躍している。近年、「みんなが笑顔になるフランスの定番おやつ グテ」(自由国民社)、「マリエレーヌのアイスクリームとシャーベット」(文化出版局)という2冊の本を出版した。
「料理は幼いころからの趣味で、他人も自分も幸せにできる最も簡単な方法だと信じています」と微笑む。マリエレーヌさんにとって、料理とは友だちのために作るものなんだそう。「3.11後、日本の方々を自分なりに支えたくて料理ブログを始め、気がつけば料理研究家になっていました」。本には、美しくておいしそうなスイーツの写真とレシピが満載だ。
驚くのは、これらのレシピ考案、フードスタイリング、写真撮影全てをマリエレーヌさんが自分ひとりで担当していること。文章も彼女自身が日本語で書いたのだから凄い!そう、彼女はその卓越した語学力を活かして通訳や翻訳の仕事もしている。「きちんとした免許を取ることを祖母と約束し、パリの東洋文化言語研究所で日本語と日本文化を専攻し卒業した。写真家としては、風景や料理の撮影が多いそう。

 

 

人生を変えた「雪舟の水墨画
「いつか日本へ行く!」と直感したのは小学2年生の夏、「バイクで世界一周」という本で、東京の地下鉄について書かれた文を読んだ時のこと。「著者の日本への偏見に腹がたったことをハッキリと覚えています。日記帳に数ページも書いたほど怒っていました」と語る。その時は来日したことがないのに、不思議だよね。その2年後、絵を気に入られ薦められて通っていた画家のアトリエで、日本美術史の本をめくったマリエレーヌさんは、ある絵に魂を奪われた。雪舟の水墨画だ。見るやいなや魅入られてしまい「いつか必ず本物の雪舟を見に日本に行かねばならない」。と運命を感じた。「あの時、人生が一瞬にして変わってしまったの。年月は流れ、今は年に2度、3度と来日し、京都を拠点に毎年3ヶ月ほどを日本で過ごすようになった。

 

 

競艇(ボートレース)に魅せられて
もともと海辺の生まれ育ちで、歩けるようになる前にボートに乗っていた。ボート(船全般)やボートレースが大好きだというが、「息をするのさえ忘れるほど感動できるのは競艇(ボートレース)だけです。「最初、ギャンブルであることを知らなかったことが幸いでした。偏見を持たずに自然に感動できましたから。そして選手を心から尊敬できたのです。
マリエレーヌさんは、競艇選手たちとの交流も深く、来日のたびに競艇場に通って、選手たちの肖像やボートの絵を描いてきた。
「水上の武術と形容されるほどボートレースは奥が深いスポーツであり、最初のころは、男性だけでなく、女性も子どもを養うために選手になり、それで助けられた家庭が少なからずあったことを忘れないでいただきたいです。日本人が日本人のためだけに考えたスポーツで、最初の内はある種の不況対策でもあった競艇はもちろん時代とともに変わり、今の「ボートレース」になったので、これからはどうなるのかすごく気になります。とにかく、描き続けられれば人間としても画家としても本望です」「わたしの愛するボートレースは、日本の方々が想像するものとはかなり違うといえますが、奥深さも人間味もあり、「ギャンブル」とは関係のない、その純粋な感動と敬愛の気持ちをわかちあえればと思うのです」

 

 

日本のことをフランスに伝えたい

「東南フランスという土地で、「女性でありながら『日本語を勉強する』『絵描きになる』という二大禁忌を犯したわたしは、親戚たちに受け入れてもらえず、疎遠になったことが一番こたえました。でもみんなに理解してもらえるようにと時間をかけて日本の良さを伝えていこうと努めています。基本的には自分の勘を信じ、地道に頑張ることがベストなのだと固く信じています。
「偉そうに聞こえるかもしれませんが、フランスで日本を語ることができて、日本でフランスを語ることができることを光栄に思い、これからも両文化間の橋渡しになれるように頑張っています」

自分を動物に例えるなら
「理想は猫かなあ、狐もすごく好きですけれど、日本ではイメージがあまりよくありませんよね。それに「葛の葉」があまりにかわいそうで‥‥
うん、あれは悲しい話だね。
「クロッチの目つきの悪さに一目惚れしました。みなさんに聞いていただきたいメッセージに深く心をうたれたのです」。
マリエレーヌさん、ありがとう! オイラのこと、すでにフランスに紹介してくれている。
「クロッチ、ごちそう作るからうちにおいで!
「もちろん、喜んで!」


 

マリエレーヌ・ポワンソ
フランス、ニースに生まれ育つ。画家、写真家、翻訳家、通訳、料理研究家などの顔を持つ多才な芸術家。著書「みんなが笑顔になるフランスの定番おやつ グテ(自由国民社)「マリエレーヌのアイスクリームとシャーベット」(文化出版局)HATTORIキュイジーヌクラブ LUNA LAPINにて南フランス料理、フランス菓子講座を開催。

公式サイト「マリエレーヌの世界」
http://www.lemondedemariehelene.wordpress.com

Facebook
https://www.facebook.com/gouterdefranceaujapon


(ダウンロードできます)

のら猫クロッチ《縁起》 in 足利 はじまるよ!
2017年7月13日

のら猫クロッチ《縁起》。
日本橋につづき、栃木県足利で新たな物語をつくります。

かつて東京の新宿下落合にあった"カフェ杏奴"はクロッチくんの初めての棲家。やさしい杏奴ママさんは、4年前にふるさと足利の地に拠点を移しました。古都足利は、のら猫も棲みやすい、歴史と文化、そしてなにより雰囲気のある街です。
カフェ杏奴に集まる、愉快な仲間たちとストーリーづくりを始めていきます。
どうぞお楽しみに。

◉下落合のカフェ杏奴にて
大好きな「Café杏奴」、みんなと写真撮影してきました! (2013.2.13)
http://blog.excite.co.jp/krocchi/18675486/

のら猫クロッチ。地元、目白・下落合、池袋でデビューを飾る! (2009.11.24)
http://krocchi.exblog.jp/13238330/

 

 

 

 

 

アートの力で児童労働をなくそう!に参加したよ
2017年7月13日

のら猫クロッチは、仕立て屋さんになることを目指しているインドの女の子たちの「はじめてのお客さん」になりました。そして、このたびのヤフオクのキャンペーン「アートの力で児童労働をなくそう!」の参加しました。

 

6月26日(月) – 7月2日(日) の公開され、《インドの民族衣装を着たのら猫クロッチ》たちは里親さんの元へともらわれていきました。
どうもありがとう! 本キャンペーンは今週末の7月16日まで開催しています。みなさん、ぜひアクセスしてみてください。

→ヤフオクページへ【開催期間:6月12日〜7月16日】
https://auctions.yahoo.co.jp/reu/project?id=1102

→インドの子どもたちとの出会い編「Hi! Krocchi」
https://www.facebook.com/hikrocchi/videos/1489666714418612/

 


 

【出品期間・参加アーティスト】

■第1週: 6月12日(月) – 6月18日(日)
安田菜津紀さん(フォトジャーナリスト)/ はせがわいさおさん(画家)/ Flynn J. Wallaceさん(アボリジナル画家)

■第2週: 6月19日(月) – 6月25(日)
辛酸なめ子(漫画家・コラムニスト)/ 夕凪さん(書道家)/ 朝凪さん(書道家)/ 石崎敦子さん(写真家)

■第3週: 6月26日(月) – 7月2日(日)
大宮エリーさん(脚本家・エッセイスト・画家)/ のんさん(女優・創作アーティスト)/ 土屋秋恆さん(水墨画家)/ クロッチさん(〆キャラのら猫)

■第4週: 7月3日(月) – 7月9日(日)
田中秀行さん(AFRIKA ROSE フラワーデザイナー)/ 鬼頭志帆さん(写真家)/ 蓮井幹生さん(写真家)

■第5週: 7月10日(月) – 7月16日(日)
Przemek Sobockiさん(イラストレーター/アートディレクター)/ Lisa Vogtさん(写真家)/ 蓮井元彦さん(写真家)/ 皆川聡さん(写真家)/ 石野千尋さん(写真家)

 

 


Hi! Krocchi
(こんにちは! クロッチ)

 

◉世界の子どもたちを児童労働から守るNGO ACE
http://acejapan.org

 

★★★ 映像&音楽作品「Hi! Krocchi」 ★★★
監督:Takahiro Kido & Yuki Murata
撮影:Yuko Tayanagi(ACE)
音楽:Takahiro Kido
制作:Ricco Label
企画:ACE & NURUE
by クロッチ倶楽部 

 


 

 

 


 

★★★ Hi! Krocchi (こんにちは!クロッチ) ★★★

“クロッチ衣装”の製造と販売をとおして、みなさんと一緒に小さなビジネスモデルをつくります。売上の一部は、インドの子どもたちが”クロッチ衣装”を作るための「布」の購入、そして「ミシン」の購入費用として、現地で自立支援活動をしているACEさんに寄付します。そして本活動の様子は、関係者参加型で「Hi! Krocchi」(インスタグラム #hikrocchi)で配信していきます。

★★★ ACEさんからのメッセージ ★★★

インド南部、テランガナ州は私たちの衣服などの製品の原料となっているコットンの生産が盛んです。コットンの栽培には多くの子どもが関わっており、インド国内のコットンの種子栽培だけでも48万人以上の子どもが安い労働力として働かされていると言われています。コットンの栽培に使われる有害な農薬の影響で具合が悪くなったり、ひどい場合には亡くなる子どもがいます。そんなコットン畑で働く子どもたちが児童労働から抜け出し、教育を受けられるようになることを目指して、日本のNPO法人ACE(エース)は、現地NGOのSPEEDと共に「ピース・インド
プロジェクト」を実施しています。

その活動の1つに、教育を十分に受けられないまま義務教育年齢を過ぎてしまった女の子向けの職業訓練センターの運営があります。児童婚などの問題から女の子はすぐにお嫁にいってしまうから教育を受ける必要がないという考えや、結婚の時に必要な持参金は女の子自身が稼ぐべきだという考えを持つおとながいるため、畑には男の子より多くの数の女の子が働いています。職業訓練センターでは、仕立て屋になるための縫製や刺繍の技術を教えながら、読み書きや算数を教え、教育の機会を提供しています。また、訓練を終えた女の子は、家庭の中の安全な環境で仕立て屋として収入を得られるようになります。

コットン畑で働き、望んでも学校に行くことができなかった過去を持つセンターに通う女の子たちに、クロッチが「おいらの服を作ってほしい」と依頼をしてくれました。初めてクロッチと会った時、女の子たちから笑顔がこぼれました。クロッチは彼女たちにとって初めてのお客さんでした。彼女たちが大好きなクロッチのために心をこめて一生懸命作った、世界に1つしかない服たち。見て、触って、匂いをかいで、遠く離れたインドの空気を感じてください。
(田柳優子/ACE)

◉世界の子どもたちを児童労働から守るNGO ACE
http://acejapan.org